【ミサトの魔法 2】


ある日、忙しそうに働くシンジとレイを見て、ミサトが言った。

「今日だけ太陽が進むのを遅らせてあげましょう」

そんなことができるものかという思いと、彼の師匠ならやりかねないという、半信半疑の
シンジだったが、実際に太陽の動きは明らかに鈍くなっていた。

おかげで仕事がすこぶるはかどり、太陽が空のてっぺんに移動した頃には、いつもの五割
増しで日課を終えていた。

これで夜には自由な時間が取れると喜んだシンジだったが、魔法使いの行いに、まともな
ものはあまりない。

太陽の進みがあまりに遅く、シンジとレイが寝る時間になってもまだ太陽は高い位置で
ギラギラと輝いていた。

深夜をだいぶ過ぎた頃、ようやく日没となり、翌朝はいつものように日が昇った。
おかげで村中が睡眠不足となってしまうことになる。

眠い頭でどうにか働いたシンジだったが、その日の仕事量は、いつもの三分の一だった。